ハッチバック決定戦:後編 ―― ホンダ・シビック vs プジョー308 vs VWゴルフ
公開 : 2017.04.30 11:30 更新 : 2017.05.29 19:09
軽くあれ
プジョーの発表によれば、308の車両重量は1080kg。それが正確な数字かどうかはともかく、加速はたしかに軽さを感じる。
ほか2台よりほんのわずかにトルクで勝り、トランスミッションの段数はひとつ少ないが、回転域の主要な領域を素速く回りきる。
エネルギッシュで軽やかな、熱心なドライバーが3気筒ガソリン・ターボに期待する通りのクルマに感じられる。シビックが到達すべきは、このレベルだ。
この上、308だけがよりよい乗り心地とハンドリング、操作系まで備えていたら、この比較テストのジャッジは難しいものになっただろう。
しかし、このプジョーのシャシーは、そのエンジンほどにはエンスージァストを喜ばせてくれない。ストロークの大きいサスペンションは、路面の不整に遭うとノイジーで、減衰不足な乗り心地を伝えてくる。
コーナリングは十分に巧みだが、ステアリングは過剰にダイレクトでありながら、重さとフィードバックに欠け、自信を持ったコース取りが難しい。
ボディ・コントロールは悪くないが、サスペンションの働きが不十分なためタイヤ依存度が増し、ハンドリングのレスポンスを確保するためステアリング・ホイールは小さいサイズとなる。
走り出しはよかったのだが、最終的にはよい部分と悪い部分がごちゃ混ぜという印象が拭えない。3台の中では、早々に脱落する。