酷評? 賞賛? BMW 440iを試乗 430iオーナーは見るべからず
公開 : 2017.05.03 12:00 更新 : 2017.05.29 14:39
■どんな感じ?
何も変わっていないではないか!
まずは430iコンバーチブルの試乗。悪い印象の頂点を極め、いきなりこのクルマへの興味を減退させてしまったことをまず始めに書かねばなるまい。
搭載されていた4気筒ガソリン・エンジンの出力は、必要にして十分であったが、その全域でが雑な印象が拭えなかったのだ。
結果的に低回転域で心地の良いところを探さざるを得ないキャラクターは、モダンBMWのラインナップにおいて、極めて稀である。
しかも、8速オートマティックは、スムーズでもなければ応答性もよくなかった。改善されたというステアリングも、直線でもコーナーでもスポーツの称号に見合うだけの域には達していなかった。
せっかくミュンヘンまで来たのに、悪夢のような気分である。
スノー・タイヤの影響は否定できないと教えられたが、どちらにせよ、このクルマの出来に落胆してランチ・ブレイクを迎えることになった。
そして440iクーペに乗り換える時がきた。
440i、これはいいぞ!
皆様、これは、素っ気無い430iに比べたら、溶けかけたカマンベールのようになめらかである。430iで気づかなかった、今回施された細かな変更点は440iクーペに乗るとその効用がはっきりと認識できる。それはこのクルマの印象を大きく変えるほどである。
BMWはその輝きを失いかけていると囁かれるが、少なくともこの440iをみる限りそんなことはないといえる。
なかでもステアリングのアップグレードが全てを物語る。旧モデルの4シリーズでは、コーナーの手前でターン・インを始める時、若干の修正を伴った。ステアリングから、そうするようメッセージを受け取るからである。適切な判断をして修正舵を当ててラインを修正するには自信がもてなかった。
けれど440iではそんなことはない。ステアリングの操舵感は素晴らしい。舵角を進めるに従って正確なロード・インフォメーションを探ることができるのだ。
各コーナーで必要な、スムーズで、流れるような操舵感のステアリングで、あなたは余計なことを考えず次に迫るコーナーのことを見つめていればいい。
それにしても何故430iと440iの間でそれほどの違いを生むのだろう。その理由を聞いてみた。