★★★★★獲得 マクラーレン720S最速試乗 「世界最高」の称号を

公開 : 2017.05.04 12:20  更新 : 2017.05.29 19:10

■どんな感じ?

実用性はどれほどなのだろう?

新たな空力デザインが、キャビンを圧迫するものだということは先に述べた。たしかに、左右シートの距離は近い。

しかし、低いサイド・シルと、ほぼ垂直方向へ開くドアにより、脚を大きく上げたり頭をぶつけたりすることなく、より容易に乗り降りできるようになった。

シャシーの変更は、視認性の向上にも貢献。Aピラーはきわめて細く、キャビンを取り囲む縦横のビームも細い。その間にガラス・パネルが張り巡らされ、ミッドシップのスーパーカーとは思えないほど、周囲を見通せる。また、キャビンの狭さを感じさせない開放感も生まれている。

ドライビング・ポジションは毎度ながらのストレートアームだが、コラムは電動で調整可能。なお、アシストは油圧式だ。ブレーキ・ペダルはセンターにマウントされ、左右どちらの足でも踏みやすい。

メーター・パネルが開閉式になったのはあまり必要性を感じないが、新たなセンター・スタックのタッチパネル式コントローラーは、従来品より使い勝手が向上。操縦系は見慣れたマクラーレンのそれだが、必要以上に複雑なように思えなくもない。

内装の素材は上質で、アルカンターラに施されたステッチには所々に粗が見えるが、これは先行試作車ゆえのことで、量産車では改善されるに違いない。

公道上でも、サーキットにおいても、720S650Sを上回る能力を見せるが、675LTほど過激な性格ではない。月曜の朝にローマの混み合う道で720psのスーパーカーを初試乗するという、ある意味過酷なミッションを与えられたジャーナリストが、自信を持って運転できるクルマだ。

視認性は上々で、乗り心地はしなやか。ダンパーはコンフォート/スポーツ/トラックの3段階調整だが、街なかではほぼコンフォートに入れっぱなしだった。

ちなみに、この乗り心地重視のモードは、これまでノーマルと表記されていたが、マクラーレン的には「乗り心地重視」の状態が決して「ノーマル」な状態ではないということで変更されたようだ。

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