韓国サンヨンのSUV「チボリ」 買わぬが仏? 辛口評価に要注意
公開 : 2017.05.10 09:00 更新 : 2021.03.05 21:35
「からっきし」の走りを検証
ライバルたちも決してその分野で高い水準にあるとはいえないが、チボリのステアリングは曖昧で、普通に走る分には落ち着いている乗り心地も、減速バンプなどを乗り越えようものなら衝撃がキャビンを貫く。
販売の大半はディーゼル車だが、今回はメーカーが販売費率の拡大を目論むガソリン車を試乗した。その思惑に乗ってもいいかと思っている寛容な読者もおいでかもしれないが、忠告しておきたい。
少なくとも来年に新たなエンジンがラインナップされるまでは、その寛容さを封印するべきだ。試乗車の1.6ℓユニットは、はっきり言っていいとこなし。
全域ひたすら盛り上がりがなく、どんなにスロットル・ペダルを踏み込もうが、加速に勢いというものが感じられることはない。
それでいて、燃費が特別優れているわけでもない。勢いということなら、同じ1.6ℓでもディーゼルなら幾分マシだ。とはいえ、そちらは室内へ盛大に流れ込んでくるノイズというおまけが付いてくるのだが。
6速MTは比較的滑らかで、ATよりこちらを選ぶべきだ。ATそのものはミニなども使うアイシンAW製だが、このクルマに載せると、いかにも活気のない走りしか生まないからである。
もっとも、このクルマのオーナーは、走り云々よりも広さや安さで購入を決めたのだろうが。