サンヨン・コランド・スポーツ
公開 : 2013.01.04 16:50 更新 : 2021.03.05 21:35
■どんなクルマ?
サンヨン・コランド・スポーツは、コランド・クロスオーバーの兄弟モデルになる。今回試乗したコランド・スポーツは、2.0リッターのターボ・ディーゼル・エンジンを搭載し、1,750ポンド(25万円)のオプションとなるハードトップを装着し、スイッチで切り替えられる4WDとロー・レンジに対応するトランスミッションを備えたモデルである。
多くのライバルと異なり、コランド・スポーツはコイル・スプリングのリア・サスペンションを持つ。これは、一般路上でのダイナミクスと乗り心地を向上させるためのものである。
ギアボックスは6速のマニュアルまたはオートマティックが選択可能だ。価格は、18,295ポンド(258万円)からスタートするもので、その価格はライバル達よりもおおよそ20%安い。
■どんな感じ?
その装備の割に抑えられた価格が魅力的だ。ミッドレンジのEXモデルは、ヒーテド・レザー・シート、エアコン、リア・パーキング・センサー、18インチ・アロイホイールが標準で装備される。追加装備となるハードトップも、ボディ・カラーに合わせられており、付け足しといった感じを受けない。また、ナビゲーション・システム、mp3互換のケンウッド製タッチ・スクリーン・エンターテイメント・システムなども装備される。
コランド・スポーツで唯一その低価格を感じさせるのはダッシュボードだ。一般的なデザインだが、想像力に乏しいデザインで、しかもザラザラとしたプラスティックが使われているのだ。しかし、スイッチ類自体の使い勝手は悪くはない。
ショルダー・スペースとヘッド・クリアランスはフロント、リア共に充分なスペースを持つ。但し、レッグ・スペースはフロントは充分だが、リアはやや窮屈だ。しかし、本当の長距離ドライブ以外では、快適にすごすことができるだけのものではある。
2.0リッター・ティーゼルは、サンヨンの自製だが、コランド・クロスオーバーよりも、低速でのトルクを高めるためにチューニングされている。しかし、そのパワーは、気まずいほどに離れた1、2速ギアが魅力を削いでしまっている。恐ろしく低い1速ギアでは、エンジンはトルクバンドの下にあってもゼーゼーといったサウンドを奏で、早く2速にシフトアップするように急かしているように感じる。
また、ステアリングはデッドなフィーリングだ。このステアリングは、オフロード走行では良いかもしれないが、ターマックを走るには向いていない。更に、コイル・スプリングとされたリア・サスペンションだが、空荷の状態では弾むような乗り心地を示した。
643kgという最大積載量も、このクラスからすれば半分でしかなかった。
■「買い」か?
コランド・スポーツは、先代から比べれば大きく進歩している。しかし、都会に住むSUVユーザーにとっては、そのクラスで標準に達していないクルマだといえよう。確かによく設えてあるクルマであるし、5年の走行距離無制限の保証は嬉しいのだが。
(ダルジンダー・ナグラ)
サンヨン・コランド・スポーツ
価格 | 19,995ポンド(282万円) |
最高速度 | 172km/h |
0-100km/h加速 | NA |
燃費 | 13.3km/l |
CO2排出量 | 199g/km |
乾燥重量 | 2097kg |
エンジン | 直列4気筒1998ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 153bhp/4000rpm |
最大トルク | 36.6kg-m/1500rpm-2800rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |