オフローダー決定戦:前編 ― Gクラス vs ディスカバリー vs ランドクルーザー vs ラングラー vs D-マックス vs ダスター
公開 : 2017.05.13 12:20 更新 : 2021.01.28 18:18
ダチアから刺客登場
ダチア・ダスターは小型軽量なSUVで、ワイルドカードとでもいったところか。副変速機も、デフロックも車高調整機能も備えていない。前後トルク配分が50:50の4WDだけは用意されているので、もちろんその仕様を借り受けた。
残念なのは、ここにスズキ・ジムニーがいないこと。八方手を尽くしたが、試乗車を用意できなかった。ジムニーが加われば、もっと面白いことになっただろう。
どのメーカーもスパイク・タイヤを装備するような、ふざけた性能調整をしてこなかったのは幸いだった。さすがにジープには、BFグッドリッチの本格オフロード・タイヤであるマッドテレインが装着されていたが、いずれも標準装備品だ。
そこで、タイヤの差が評価を左右しないよう、泥濘路での過酷なテストは避けた。ぬかるんだ道では、路面とのクリアランスが十分なら、車重と並んでタイヤ性能がものをいうからだ。
また、故障を招くような状況となれば、テストは中断することにした。この先進むには、どこかにダメージを負わざるを得ないのであれば、それ以上は進まない。ロード・サービスを呼んだり、メーカーに怒られるようなことになるのはゴメンだ。
最初の項目は、ゼロスタートからのヒルクライム。テストコースでは、短く、下草に覆われた右へ左へ曲がりくねる第1の坂を越えると、次に急勾配で立ち塞がる第2の坂に挑む。