41万km走破のランボルギーニ・ムルシエラゴ どう違う? なぜそうなった?

公開 : 2017.05.14 00:00  更新 : 2017.05.29 19:21

エンジンに火を入れる時

ピカピカにリビルトされたクルマは、大きなブレーキを収めるために、後期型のLP640のホイールを履くが、その他は工場出荷時を思わせるようなコンディションである。

近くに寄って詳しく探らなければ、このクルマが費やしてきた激動の道のりの片鱗を見つけることはできない。

リア・フェンダーに備わる「V12 6.2L」のバッジには無数の擦り傷があり、乗降口にあるサイドシル・プレートにエンボスで書かれた「ムルシエラゴ」の文字は、何千人ものドライバーが乗り降りしたことで、磨り減ってしまっている。

磨り減った燃料口リリース・ボタンも、このクルマの歴史を物語る。「M1号線沿いにあるガソリン・スタンドでしたら、ほとんどの従業員を知っていますよ」ジョージは言う。

濡れた路面とスノー・タイヤの組み合わせは、580psを誇るこのクルマの出力を路面に伝えることを難しくしている。ひと昔前の電子制御はスリップの予兆を認識するととっさに介入するが、回復するのも速い。

巨大なV型12気筒エンジンは、アイドリングから綺麗に立ち上がり、幅広い中速域を経て、7600rpmのレッド・ゾーンを目指す。

ちょっとしたアドベンチャーである。

あいにくのコンディションで、フル・スロットルを試す機会はほんの僅かであったが、最新のランボルギーニは速いかもしれないが、ムルシエラゴ以上にエキサイティングではないことを証明するに十分であった。

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