41万km走破のランボルギーニ・ムルシエラゴ どう違う? なぜそうなった?
公開 : 2017.05.14 00:00 更新 : 2017.05.29 19:21
スーパーカーはガレージのオブジェではない
ミッドランドの田舎道は、ムルシエラゴにとっておあつらえ向きのステージではない。ディアブロやカウンタックに比べれば、視界は良好である。しかし、このクルマはトラクター並みの車幅であるし、雨天時にワイパーの拭き残しを通して見る前方の視界は限られたものとなる。
純正のアダプティブ・ダンパーはとっくにその役目を終え、ジョージは社外製の質のよいものに交換し、ステアリング・ギアもアヴェンタドールやウラカンのそれに比べて低いものへ変更している。
結果、操舵感は格段に改善している。マニュアルのギアは、このクルマにパーフェクトにマッチしている。操作は重く、慎重に行う必要があるが、そこから得られるものは、パドルシフトを叩く時に得られるそれと比べて格段に楽しい。
過走行車にありがちな欠点がこのランボルギーニにないわけではない。小物入れの蓋は閉まらないので、接着剤で留めているし、エンジンの警告サインは点灯したままだ。
しかし、このクルマは全体的に締まりが良く、距離を重ねたりハードな扱いを受けたクルマにありがちな、緩慢さがない。
ジョージは、このクルマで50万kmを走破することを心に決めているようだ。多くのスーパーカー・ディーラーは、その10分の1の距離でも驚くだろう。
しかしこのムルシエラゴは、スーパーカーはメーカーが意図した使い方をされるべきだということを如実に語っている。わたしはそう感じた。