衝突実験用ダミー人形のいま CTスキャンで3D化 臓器や骨も再現
公開 : 2017.05.14 11:00 更新 : 2017.06.01 00:20
時代がすすめば、ひと(人形)も変わる
新しいダミー人形は、数千もの交通事故被害者の体をCTスキャンし、3D化することで得た身体的な特徴、衝撃の伝わり方による怪我の経過・傾向などの計算に基づいて設計されている。
ワン氏は「ヒューマンティック社では計算によって人間の体を解明することで、より現代の平均的な人間に対応した実験が可能となりました」と語る。
「いずれのダミー人形もプロトタイプの段階ですが、実現化に向け、目下全力で取り組んでいます」と語るのは副社長のジム・デイビス。
幾多ものCTスキャンで得たデータをもとに、臓器だけでなく骨なども再現した。よってクラッシュ・テストではより詳細な人体への影響を測ることができるようになっている。
「何度もテストを繰り重ね、骨を再現するのに最適な材質を見極めたりもしました。精密な仕上がりとなっているのです」と副社長。
現在、チームは、臓器損傷によるトラウマをより少なくするために、ミシガンとオハイオの州立大学とともに折れた肋骨は臓器のどの部分をどのように傷つけるのかを研究している。
副社長は「実際の実験はまだ必須と言えます。ただし科学の進歩はめざましく、近い将来あなたの体でヴァーチャルな衝突実験ができる日がくるかもしれません」と締めくくった。