アウディA5 刷新でどう変わった? A4との違いは? 2.0 TFSIを吉田 匠が試乗
公開 : 2017.05.15 11:30 更新 : 2017.05.29 18:13
タイト・コーナーに持ちこんでみよう
ハンドリングはタイトコーナーでもほぼオンザレールといった印象で、かつて4WDを特徴づけていた頑固なアンダーステアなど微塵も感じさせず、いいペースをキープして駆け上がっていく。操舵力は適度に軽いものの、路面フィールを充分に伝えてくるステアリングもいい感じである。
さらに、パワートレインもいい仕事をしている。今や2.0ℓ直4ターボ・エンジンというのは、他のヨーロッパのメーカーの多くも採用していて、いずれも想像以上の実力を発揮するが、252psと37.7kg-mを発生するアウディA5の2.0 TFSIも、その例に漏れない。
A5スポーツバック2.0 TFSIクワトロスポーツの車重は、1610kgと決して軽くないが、7速Sトロニックを介しての加速にはある種の鋭さも感じられて、なかなかスポーティな印象を与えてくれる。と同時にこの4気筒、トップ・エンドまで引っ張っても、回転のスムーズさが失われないのも好ましい。
というわけで、空いたワインディング・ロードに入った際などは、それなりにエンジンを回しつつコーナリングをエンジョイするといった、走り屋系ドライバーの要求にもストレートに応えてくれるクルマに思えた。ブレーキングがスムーズに決まるのも、そういうドライビングを心強くサポートしてくれる。
その一方で、そういったちょっと熱めのドライビングを愉しんでの帰路は、前記のような上質なライドに包まれて、平和なクルージングを味わうことができる。A5クワトロスポーツとは、そういう二面性を高い次元で実現したクルマではないか、と思った。