ベントレー・コンティネンタルGTスピード
公開 : 2013.01.04 18:12 更新 : 2017.05.29 19:03
■どんなクルマ?
新しい第2世代のコンティネンタルGTスピードは、ベントレーが生産した歴代のクルマの中でも最速のモデルだ。その最高速度は、エキゾティックなスーパースポーツよりも1mph(1.6km/h)高く、すべての顧客が330km/hのトップスピードを味わうことができるというものだ。コンティネンタルGTスピードのツイン・ターボW12エンジンは、普通のコンティネンタルGTよりも15,000ポンド(212万円)ほど高い151,100ポンド(2,130万円)という価格が付けられている。その跳ね上がった価格は、重要なアップグレードに反映されている。
標準的なコンティネンタルGTに対して、パワー、トルクは49bhp、10.2kg-m上がっている。その一方で、燃費とCO2排出量はコンティネンタルGTと同等に抑えられたのが嬉しい。
サスペンションは10mm低くセットされ、ホイールは21インチが取り付けられる。インテリア・トリムはマリナー・ドライヴィング・スペックが標準だ。また、外観ではラジエーター・グリルが黒っぽいクロムのメッシュ・タイプに変更されている。
■どんな感じ?
616bhp/6000rpmのパワーと、81.6kg-m/1700rpmのトルクは、ずっと高価なMk1スーパースポーツと実質的には同等の値だ。敏感で滑らかなZF製の8速オートマティックは、2.3トンのボディをスタンディング・スタートから100km/hまで4.2秒で導く。
クリスマス・シーズンの湿った路上でも、高度な4WDシステムのお陰で手におえないほどのスリップをすることはない。
W12エンジンは、GTスピードだからといってとりわけ大きなサウンドを奏でるわけではなく、ギザギザのセレクターをDに入れると、静かに走りだす。しかし、スポーツ・モードを選択した場合のサウンドは、それほど歓迎されるような音色ではない。ただ、率直に言って、エントリー・レベルのコンティネンタルV8よりは遥かに心地よい響きだ。
10mm低いサスペンションと21インチ・ホイールは、スピードが乗ったとしても、従来のコンティネンタルと同様に扱えるシャシー・パフォーマンスを見せてくれる。但し、W12エンジンはさすがにフロント・ヘビーで、低ミュー路では、アンダーステアを生じさせやすい気がした。
但し、グランド・ツーリングカーとして4人がキャビンの収まるには、GTスピードは比類なきクルマであることに間違いない。
■「買い」か?
その速度だけでいうならば、間違いなく最高のベントレーではあるが、バリュー・フォア・マネーを考えればベストであるとは言いがたい。というのもコンティネンタルV8は、27,000ポンド(380万円)も安く、580bhを発揮するからだ。
しかし、コンティネンタルGTスピードが、サムシング・スペシャルであることに疑いはない。
(アラン・ムーア)
ベントレー・コンティネンタルGTスピード
価格 | 151,100ポンド(2,130万円) |
最高速度 | 330km/h |
0-100km/h加速 | 4.2秒 |
燃費 | 6.9km/l |
CO2排出量 | 338g/km |
乾燥重量 | 2320kg |
エンジン | W12気筒5988ccツイン・ターボ |
最高出力 | 616bhp/6000rpm |
最大トルク | 81.6kg-m/1700rpm |
ギアボックス | 8速オートマティック |