メルセデスEQコンセプトに試乗 1兆円の投資、モデルXを超えられる?

公開 : 2017.05.18 11:30

性能:0-100km/h加速性能は5秒未満?

大きなリチウムイオン・バッテリーがEQ Cを重たくしていることは否めない。

2000kgオーバーの車体は、一見「俊敏さ」とは縁遠いようにも思えるが、実はそんなことはなく0-100km/h加速性能のタイムは5秒を切る見込みだとエンジニアは語る。また、気になる航続可能距離は約500kmとのことだ。

インテリアも継ぎ目がない。低く構えたダッシュボードには、インフォテインメント・システムが鎮座しており、画面を見た感じではおそらくスペックは最近のEクラスと同等ではないのだろうかと思う。

ただしEクラスの画面の大きさとはまったく違い、Eが12インチだったのに対して、EQは24インチ・ディスプレイを採用している。

このディスプレイ自体にはタッチ機能は備わっておらず、操作は声による設定、若しくはセンターコンソールのタッチスクリーンを使う。内外装同様、ディスプレイもどこか近未来を感じさせるものになっていた。

今回試乗したコンセプトカーは4人しか乗れなかったが、市販車では5人乗りとなる見込みだ。

実走テスト:EQ Cを感じる

一見、解放感あふれるキャビンは、フロント・ウインドウが寝ているせいで頭上の圧迫感があり快適とは言い難い。

また、全体的な見切りは良いものの、フロアがフラットであることと、着座位置が高いため、直立した姿勢を余儀なくされた。市販車になる際には改善が見られるかもしれない。

都市部の平凡なスピード域では、静粛性は抜群のひとこと。アルミ製のペダルをそっと踏み込むと、モーターの動作音がわずかに聞こえるのみだ。

ただ、今回乗って感じたことは、「総合的な評価を下すには時期尚早かもしれない」ということ。市販化に向けてモディファイが加わっていくので、パフォーマンスは大きく違ってくる可能性もある。

乗り心地の評価だって、実は完成したばかりで、サスペンションのセッティングなども未完。市販車では最近のエア・ボディコントロール・サスペンションを採用する見通しで、試走した際の路面のバンプの拾い方など、感じることはあったものの、それをレビューとして出すのは控えておくべきだろう。

EQコンセプトを試乗してみて、私は「漠然とした未来」を見せられたような気がした。

メルセデスはこれから2年後までには電気自動車でSUVのクルマの市販車を作るという意気込みを見せている。

確かになったのはふたつ。ひとつは、電気自動車で新しいプラットフォーム、電動パワートレインならではのパッケージング(とくに居住性)は市販車において、圧倒的に有利だということ。

そしてもうひとつは、そんなパッケージングが、ユーザーにとって、極めてフレンドリーであるという点だ。

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