新車&中古車対決!:前編―― BMW M2 vs アストン マーティンV8ヴァンテージ
公開 : 2017.05.20 11:10 更新 : 2017.05.29 18:20
M2、生真面目さが目立つ
M2においては、キャビンの基本構造が最も安価なBMWである1シリーズと共通であることを、まず述べなくてはならない。また、Mバッジやステッチのコントラストが入ったレザーやアルカンターラのトリム、織り目を誇示したカーボンパネルなどを奢っても、完全に豪華でソソる空間に変貌させることはできなかった、ということも。
硬いプラスティックも見えるし、いささかマジメな仕立てでもある。ただし、デザインに不満はなく、組み付けは精確で、技術面もトップクラス。このくらい、と期待されるラグジュアリーさは備えている。
彫りの深いシートは、アストンのそれよりやや高くて硬く、ドライバーの方を前へと押し出すが、調整機能は良好。
視認性はアストンより優れ、エルゴノミクスも素晴らしく、iDriveは相変わらずデキがいい。後席2座はおまけ程度だが、荷物置き場しかないヴァンテージに対するアドバンテージにはなる。
子供用といった程度のスペースが必要なければ、シートバックを倒して、トランクルームを拡大することもできる。もっとも、それを使わなくても荷室容量は390ℓあり、ヴァンテージの300 ℓを上回っているのだが。
実用面ではBMWに敵わないアストンだが、ジャガー由来の32バルブV8に火を入れれば挽回できる。
飛ばそうと思えばスロットルに鞭を入れなければならないが、豊かな海を思わせるサウンドに耳を傾けているだけでも幸せな気分になれる。