ポルシェ911カレラ4
公開 : 2013.01.05 15:07 更新 : 2017.05.29 19:07
■どんなクルマ?
カレラ4は、言わずとも知れたポルシェ911の4WDモデルである。しかし、”964″の4WDモデルが1989年に発表されて以来、本当に911に4WDモデルが必要なのかどうかは、長らくの間、議論されてきた問題だ。とりわけ、世代を重ねるに連れ、その答えはますます難しくなってきたようだ。
新しいカレラ4は、通常のカレラよりも50kg重たいボディを持つ。スタンディング・スタート0-100km/hはそのため10分の1秒遅くなり、トップ・スピードは3km/hほど低くなっている。また、公式アナウンスでは、CO2排出量は高くなり、そのため英国ではバンドLの税金が課せられることになる。そして、価格的にも、2WDモデルに対して6,500ポンド(92万円)ほど高くなる。
■どんな感じ?
2WDの911のトラクションに問題を見つけ出すのは、アラを捜すようなものだ。カレラ4も、ドライ路面であれば、99%以上の割合でフロント・ホイールにはステアリング操作以外の仕事が与えられることはない。スリッピーな状況になって、はじめてエクストラ・コストを支払った価値が発揮されることになる。
普通の911のグリップ・レベルは非常に高い。しかし、高速でウェットな路面になって初めて、その4WDシステムの恩恵が発揮される。そのようなコンディションの中、ストッロルを煽ると、パワー・オーバーステアの傾向が見られるようになる。それを打ち消すのが、4WDシステムなのだ。
また、この新しいポルシェ・トラクション・マネジメント・システムは、比較的低速で起こるパワー・オンによるアンダーステアも上手く消してくれる。
悪天候の中、より気軽にドライブが楽しめるクルマ、それがカレラ4なのだ。
■「買い」か?
あなたが日常的に911を使用するのであれば、イエスと答えるだろう。しかし、夏の日のサーキット走行や、休日の楽しみにだけ911を使用するのであれば、むしろ2WDに固執し、4WDのための6,500ポンド(92万円)のコストは、オプションに費やすことをおすすめする。
セラミック・ブレーキ、PASMアクティブ・ダンバー、ポルシェ・トルク・ベクタリング・システム・プラスなどを2WDモデルに装着することによって、よりファン・トゥ・ドライブなモデルになるのだから。
(マット・ソーンダース)
ポルシェ911カレラ4
価格 | 77,924ポンド(1,100万円) |
最高速度 | 285km/h |
0-100km/h加速 | 4.9秒 |
燃費 | 10.7km/l |
CO2排出量 | 219g/km |
乾燥重量 | 1430kg |
エンジン | 水平対向6気筒3436cc |
最高出力 | 345bhp/7400rpm |
最大トルク | 39.8kg-m/5600rpm |
ギアボックス | 7速マニュアル |