最強セダン一番勝負:中編 ― AMG E63 vs アウディRS7 vs レクサスGS F vs BMW M6グランクーペ

公開 : 2017.05.28 13:10  更新 : 2017.05.29 19:23

加速におけるキャラクターの違い

E63 Sが物理法則と格闘しながら、その重量を制限速度くらいまで引っ張る際のフィーリングは全く異なり、ドライバーを低い革ソファーのようなシートから引きずり下ろさんばかりの勢いがある。

まず、AMGがレース・スタートと呼ぶローンチ・コントロールが備わる。そのスイッチを入れると、エンジンとトランスミッションは待機状態に入り、ブレーキペダルを放すとクルマがスロットルとエンジン回転をみごとに処理してくれる。


あわせてアクスル間のトルク配分も完璧に調整して、後輪にはほんのわずかのホイールスピンを許容しつつ、全輪にはガッチリと路面へ食いつかせる。

AMGのパワー・デリバリーは、アウディのそれほどリニアではない。回転の上昇に伴うパワーの湧き上がりが明確に感じられ、フル・パワーまでより熱狂的で、スタッカートの利いた盛り上がり方をみせる。

その点、RS7は幅広い回転域で唸りが途切れず、より速いクルマに感じられる。

しかし、信じられないことだが、そうではなかった。

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