7台のアバルトに乗る

公開 : 2017.06.04 11:40  更新 : 2017.06.04 12:35

結論

デリケートなカーブに包まれた750GTザガートは、それを堪能できる審美眼を持つ人が選ぶアバルトだろう。当時のミッレ・ミリアでの活躍を思えば、これがその美しさに匹敵するパフォーマンスの持ち主であることも明らかだ。ここに紹介した595SSやOT1000、グループ5の1000ベルリーナ・コルサは、小さくて、大胆で、快活というアバルトならではの個性を体現している。


フィアットに買収されて以後のクルマたちは、「本物のアバルト」と見なされないことがある。しかしこれらも、競技車を開発してきたアバルトの長いキャリアの産物だ。124や131のストラダーレは繊細に作られたホモロゲーション・スペシャルであり、ラリーで成功した栄光を感じさせてくれる。そして、アバルトの最後の成功作となった130TCは競争激しいホットハッチ市場に送り込まれ、ドイツ勢を脅かした。

「量産車をベースに競技車を作るには、究極の性能を追求するという点でいつも妥協が必要なものだ」とキャッスルミラーは告げる。しかし今回、7台のアバルトを見て乗ってわかった。アバルトの妥協の、なんと素晴らしいことか!

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