オークションの読み方 ポルシェ964RSR新車「RMサザビーズ・ヴィッラ・エルヴァ」

最終更新日:2017.05.30

オークションの “読み方” を学べる「オークション・リザルト」 今回は、ポルシェ964RSRの「新車」が出品された「RMサザビーズ・ヴィッラ・エルヴァ・オークション」を読み解きましょう。

4ページで分かる「RMサザビーズ・ヴィッラ・エルヴァ」の “読み方”

●2017.05.27 RMサザビーズ・ヴィッラ・エルヴァ・オークション
世界的に認められたヴィッラ・デステ・コンクール・デレガンスにリンクして、恒例となったRMサザビーズのオークションが開かれた。コンクールのレベルに合わせて特上クラスの車両が並ぶのが特徴だ。

text: Kazuhide Ueno(上野和秀)

 

ポイント1 “1億超え”が集う格式 タルボブガッティマセラティ

ヨーロッパのコンクール・デレガンスの中にあって歴史の長さと格式の高さで、最高峰に位置するのがヴィッラ・デステ・コンクール・デレガンスだ。世界中から貴重なクルマ達が集まり美を競い、近年はコンセプトカー発表の場ともなり、年を追うごとに存在感を高めている。

このヴィッラ・デステ・コンクール・デレガンスにリンクしたオークションを担当するのが、RMサザビーズである。格式あるコンクールに相応しいハイエンドな車両が用意されることで知られ、今年を例に説明すると出品台数こそ45台と少ないが、予想落札額が100万ユーロ(1億2500万円)以上の車両が1/3以上となる16台用意されたと聞けば、その内容の凄さが理解できよう。このほか20台のコレクター向けのモーターサイクルと、コモ湖畔のオークションだけに1隻のプレジャー・ボートが出品された。

ポイント2 落札率6割 低調の原因は? 最高額額は37年式タルボ、4.2億円

4ページ目のリストをご覧いただくとお判りのように、ヴィンテージ期のスペシャルモデルから、ラ フェラーリマクラーレンP1 GTR、ポルシェ918など最新のスーパースポーツまでが会場に並んだ。しかし超高額な出品車が多いことに加え、世界的に情勢が落ち着かず、経済状況も安定しないため、浮かれた入札が姿を消したことから落札率は61.4%と低調だった(要因については後述)。

最高落札額を記録したのは、ヴィッラ・エルヴァらしく1937年型タルボ・ラーゴT150-C SS グゥトド・オウ・クーペの4億2000万円で、以下1935年型ブガッティ・タイプ57アトランテ・プロトタイプ/3億7800万円、1993年型ポルシェ964カレラRSR 3.8/2億5200万円、1965年型フェラーリ275GTS/2億2400万円、2015年型ポルシェ918ヴァイザッハ・スパイダー/1億8200万円と、この場に相応しいモデルが続いた。

次ページから、トピックとなるモデルを個々に分析していこう。
 

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