BMW M4 CS、★4.5を獲得 だがAMG C63やアルファ・ジュリアの存在大
公開 : 2017.05.31 19:40 更新 : 2017.05.31 19:44
明らかになった、ふたつのこと
前席はコンペティションと同形状の、厚いクッションを採用した快適なスポーツシートが据え付けられる。ただし、背もたれにはイルミネーション付きのロゴが入り、調整は電動ではなく手動となっている。
ドアの内張とセンターコンソールがGTS同様の軽量仕様であることは前述したが、ダッシュボード前面やセンタートンネル、ルーフやドアコンソールを覆うのはアルカンターラ。
シングルゾーンのマニュアル・エアコンや、音質は物足りないが十分にハイファイの利いたオーディオ、「プロフェッショナル・メディア」インフォテインメント・システムは、ハードコアさと現実的な実用性の適切なバランスをもたらしている。
モダンな高性能ドイツ車に求める便利さや豪華さはありながら、十分に軽いクルマで、日常的に乗っても楽しめる。
気になるサウンド
音に関して、ノーマルのM4に負けるのはオーディオだけ。4本出しエグゾーストはコンペティションと同じアイテムだが、遮音材の削減や、レッドラインを7600rpmまで引き上げたエンジン・マネジメントと相まって、力強くリアルなサウンドがキャビンに響く。
チタンパイプのGTSほどアグレッシブではないが、なかなかにアピールの強い音質となっている。軽量ドアパネルにはスピーカーが備わらず、合わせて人工のエンジン音を添加するシステムも取り払われているのがなおいい。
ノーマルのM4では、低中回転域のエンジン音やロードノイズが電子的に完璧な調律を施されるが、それよりとげとげしく、精細で、リアルな音を聞かせてくれるM4 CSの方が、ついついスロットル・ペダルを踏み込みたくなるに違いない。
試乗できたのはほんの2時間ほどで、場所はニュルブルクリンク北コース周辺。折しも24時間耐久レースの開催が迫っており、集まった観衆で混み合っていた。
そんな状況下では限界性能を試す機会には恵まれなかったが、それでもふたつのことがはっきりとわかった。まず、エンジンの性能向上はBMWのアナウンス以上に効果的。
そして、グリップとボディコントロールの改善はノーマル以上に精確でバランスの取れたハンドリングだけでなく、公道でのリラックスした走りももたらしてくれる。