VW「アルテオン」に初試乗 興奮なし、プレミアム感もあと一歩
公開 : 2017.06.02 12:10 更新 : 2017.06.02 12:27
VWの新たな旗艦サルーンは、スタイリングも活気も、プレミアムクラスに食い込むには物足りません。
■どんなクルマ?
目指すは上級サルーン市場
この新顔は、フォルクスワーゲンCC(パサートがベース)に代わる同ブランドの最上位モデルだ。
アウディA5スポーツバックのような5ドア・ハッチバックとすることで、単なるセダンとは差別化を図っている。
けれど、フォルクスワーゲンはこれを「ファストバック」と呼ぶらしい。ハッチバックというと、たいがいはもっと小さくて安い、ありふれたクルマを想起させるから、とのことだ。わかりました。
このスタイリング、特にグリルの水平に伸びるバーとヘッドライトがシームレスにつながる造型は、今後のフォルクスワーゲンモデルに用いられるテイストを示唆するものだ。
ワイド感を強調したインパクトのある顔立ちは、この実用5シーターにスポーツカー風の存在感を与えている。曲線的なリヤ周りやブリスター形状のフェンダー、シャープなプレスラインなども同様の効果をもたらしている。
オプションで20インチのホイールも選択可能で、フォルクスワーゲンがプレス向けに用意した試乗車はこれを履いていた。
ただし、ちょっとばかりスマートすぎて、強烈な個性が感じられなかった、というのが個人的な感想だ。
上級サルーン市場では、フォルクスワーゲンの訴求力は決して強くない。せめてデザインはもう少し冒険して、ブランドバリューの弱さを補ってもよかったのではないだろうか。
アルテオンのプラットフォームは、MQBファミリーに属するもの。とはいえ、ゴルフやパサート、トゥーランやティグアンまで広く用いられるそれらは、もちろんそれぞれ同一ではない。