VW「アルテオン」に初試乗 興奮なし、プレミアム感もあと一歩
公開 : 2017.06.02 12:10 更新 : 2017.06.02 12:27
味わい深さに欠ける
このクラスのライバルたちと同様、しなやかな乗り心地と絶縁されたようなステアリングは、車内と外界を極めて効果的に隔絶している。
ダンパーのアップグレードの有無にかかわらず、20インチのタイヤが鋭い凹凸を乗り越える際にはショックが感じられるが、それも我慢できる程度だ。
しかし、このスポーティな風貌から期待される走りを味わうべく、硬めのセッティングを選ぶと、少なからず失望することになる。
標準装備されるプログレッシブ可変レートのパワーステアリングはわずかばかり重くなるが、フィールは乏しいままで、乗り心地は路面状況に左右されやすくなる。
■「買い」か?
BMW、アウディと戦うには力不足
グリップや敏捷性は、アルテオンをこのクラスの標準的なセダンよりスポーティに感じさせるに十分だが、エキサイトするものではない。走り重視のドライバーには、おすすめしかねる物件だ。
それ以外の点では、非常に洗練され、高性能で、しかも素晴らしく実用的であり、ブランド偏重主義のユーザーが進んで買いたがる類のクルマ以上に、クラスを超えた感覚をもたらしてくれる。
となれば、フォルクスワーゲンブランドへのユーザーの見方を変えさせ、BMW4シリーズ・グランクーペやアウディA5スポーツバックの需要に食い込めるだろうか、とも考えてしまう。
しかし、さすがにそこまではいかないだろう、というのが正直な感想だ。
フォルクスワーゲン・アルテオン 2.0 TDI 240 4モーション・エレガンス
価格 | 約£38,000(547万円) |
全長×全幅×全高 | 4862×1871×1427mm |
最高速度 | 245km/h |
0-100km/h加速 | 6.5秒 |
燃費 | 17.0km/ℓ |
CO2排出量 | 152g/km |
乾燥重量 | 1753kg |
エンジン | 直列4気筒1968ccツイン・ターボ・ディーゼル |
最高出力 | 240ps/4000rpm |
最大トルク | 51.0kg-m/1750-2500rpm |
ギアボックス | 7速デュアル・クラッチ |