14億円? ロールス「スウェプテイル」に見る、ロールスが販売台数を追わぬ理由

公開 : 2017.06.03 16:10

販売台数を追わずに、何を追う?

そう、スウェプテイルは、この名門ブランドが彼らのルーツであるコーチビルドへ回帰しようとする動きを、世に示している。

既存のプラットフォームをもとに、顧客の気まぐれに全て答えようというクルマ造りだ。

単なるクルマを買うにしてはあまりにも高価だが、その支払う金額は、ロールス・ロイスのデザイン・ディレクターを、自分のために4年も働かせて自分のためだけのクルマを造らせる対価なのだ。

そんなサービスに、あなたならいくら支払うだろうか。

日々あくせく働いて口に糊する身では想像だにできない世界だが、その金額を実際に支払えるという顧客が、この世には少なからずいるというのも事実だ。

そう、そんなひとびとは掃いて捨てるほどいるわけではないが、コーチビルドがビジネスとして成立するとロールスが見込む程度には存在するのである。

プレミアムなメーカーでさえ、販売台数の増加で利益を拡大しようという世の中にあって、ロールス・ロイスは違う方向性の戦略を立てようとしている。

その兆しが、今回のスウェプテイルなのだ。

奇抜で派手、そして極端な戦略ではあるが、当然ながら、たった1台のクルマでも、公には語れないほど巨額の資金が動く。

ロールス・ロイスが目指そうというのは、そういう世界なのである。

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