フィアットのMPV「500L」忘れてない? マイチェンで40%変更 ただ動的性能は…
公開 : 2017.06.06 11:40 更新 : 2017.06.06 11:49
■どんな感じ?
よくないところも、そのまんま
メカニズムが変わらないのだから、走りにも際立った変化は見られない。当然ながら。
つまり、市街地での走りは当たり障りないといった印象。ハンドリングは予期しやすいもので、街乗りに適した軽いステアリングと、不快でない程度に硬いダンピングを備え、不整路面では落ち着きのなさを見せる。
エンジンは、街乗りには十分にパワフルで、より速度域の高い道路や、もう少しスピードを出したいドライバーの希望にも十分に答えてくれる。
ただし、スロットルのレスポンスは緩慢で、速度上昇も遅い。低回転域ではペダルを踏み込んでも動きが鈍く、パワーの盛り上がりは2500rpm辺りに差し掛かるのを待たねばならない。
乗員も荷物も多くなると、長距離を走るには力不足だと痛感させられる。エンジンをハードに回すと、予想通りノイズは大きくなる。
しかし、アイドリングや街乗りのペースであれば、実に静かで洗練性されていると思える。風切り音やロードノイズも小さい。
車体は高さがあるが、コーナリング時のロールは抑えが利いている。とはいえ、敏捷性には乏しく、荷重移動が激しくなると苦戦する。
デリケートさにかけるブレーキと軽いステアリングもあって、自信を持ったコーナリングは難しい。シフトレバーはチープな感じが拭えないプラスティック剥き出しだが、ギアボックスの作動は精確で滑らかだ。
もっとも、この手のクルマのユーザーは、激しく攻めたときの運動性より、市街地でのマナーやインテリアのクオリティの方が重要性は高いだろう。
日常における使い勝手はどうだろう?