ランボルギーニ、なぜ好調? ペルフォルマンテからウルス、EVまで 日本国内インタビュー
公開 : 2017.06.10 17:10 更新 : 2017.12.14 14:42
売上げアップとエクスクルーシブ維持、相反する葛藤
Q5:日本も含めて生産台数の伸び代があると感じていますが、具体的にどのくらいまで拡大すると考えていますか? また、プレミアム・ブランドとして台数を増やしてゆくと、エクスクルーシブ性が薄れてきますが、どの辺が限度だと思いますか?
AP:ボリュームとニッチの関係について説明します。このセグメントは競合車も少なく、すべてエクスクルーシブなブランドです。
ボリュームも数千台のレベルで、マスブランドなら何100万台と桁が違います。ちなみにわたしどもの2016年の生産台数は世界で3500台です。
3つ目のモデルとなるウルスが加わることで販売台数を拡大できる可能性があり、ランボルギーニにとって大きくジャンプする機会になります。
それでも数千台規模ですので、エクスクルーシブであることに変わりはありません。ほかのプレミアム・ブランドも数万台規模と桁が違い、このポジショニングは大切にしてゆきたいと思います。
パフォーマンスや細部のこだわり、研究開発に惜しみなく時間を掛けることによって、コストが上がってしまいますが、マス・プレミアム・ブランドとの大きな違いと思っています。そして、これがエクスクルーシブなのだと考えています。
まだまだ売れる可能性がありますが、一貫性を持ったサービスをお客様に提供してゆきたいと思います。納車まで時間が掛かってしまうことがありますが、生産能力が限られていますので、すぐに飛躍的に増やすことはできません。
けれども1台1台丁寧に作って、富裕層のパフォーマンスを好むお客様にお届けできたらいいなと思っています。
Q6:なぜ今になってモデル数を増やしたのでしょうか?
AP:なぜラインナップを3つに増やしたかといいますと、ランボルギーニの評価が向上して来ているため、これを機会にSUVを出すことによってニッチの中でも販売台数を拡大でき、良い決断だったと思っています。
3つのラインを持つことにより、新しいモデルが登場すると、もうひとつのモデルが終わり、ライフサイクルがビジネス的にも上手く循環すると感じました。
もちろん情熱がありますし、成長の機会もあると思いました。会社の長期的成長に貢献できると判断し、3つ目のモデルを加える決断を下したのです。
なぜSUVなのかというと、セダンという選択肢もあったのですが、SUVは正しい決断だった思います。わたしたちが出すのは単純なSUVではなく、スーパースポーツSUVなのです。ほかの競合メーがやっていないところに投資することにより、新たな可能性が広がると信じています。