フェラーリGTC4ルッソ、V12に試乗 欠点あれど大きく響かず 価格も納得
公開 : 2017.06.14 11:40
ただハンドリングは好きになれず
もちろんこのV12は、2トンになんなんとする、オイルと水に満たされたアルミとレザー、カーボンファイバーの器を、跳ね馬ならば当然と期待される途轍もないペースで走らせることもできる。
それだけに、ハンドリングもより好きになれるものだったら、と思わずにはいられない。
新たに4WSを装備したにもかかわらず、近年のフェラーリが共通して抱えるステアリングの欠点を払拭できていないのだ。
中立付近は不必要にアグレッシブで、さらに悪いことには、油圧アシストであるのに、ステアリングフィールが希薄なのである。
これに長いホイールベースと大きな全幅も加わって、ある程度スピードが出ていると、狙い通りのラインを取ることが難しい。
たとえ幹線道路であっても、カーブが多いとそんな有様だ。整った道でフェラーリを楽しむことすら妨げるような挙動は、うれしいものではない。
それはオーバーアシスト気味のブレーキにもいえることで、左ハンドル車ならば適切にスピードをコントロールできるのだが、今回の右ハンドル車ではその適度な利き具合を見つけるのに苦労した。
ちょっと踏み込むと急ブレーキ気味になってしまい、緊急ハザードランプを点滅させる羽目になるのだ。