ボルボV40クロスカントリーD3 SE Nav
公開 : 2013.01.09 18:47 更新 : 2017.05.29 19:09
■どんなクルマ?
あなたが認知しているボルボV40クロスカントリーは、おそらく33,975ポンド(477万円)という価格の付けられた247bhpのT5ガソリン・ターボ・エンジンを搭載したトップ・モデルであろう。しかし、このトップ・モデルであっても、V40クロスカントリーは実は2WDであり、その高められたサスペンションが偶然にもアドバンテージをもたらさない限り、標準的なV40同様、オフロードの走破性は無いに等しいクルマだ。
サイドシル・プロテクターやスキッド・プレートなどが取り付けられてはいるが、マイルドなオフローダー・ルックであり、決して泥道に喜んで入っていく類のクルマではないと言える。
しかし、このボルボのニセ・オフローダーにも利点がある。それは1,000ポンド(14万円)という安価で、40mm高められたサスペンションと、ルーフレール、スキッド・プレートを備えたリア・バンパー、エア・インテークが大きく開けられたフロント・バンパー、そしてLEDのランニング・ライトが装備されるのである。
確かにV40クロスカントリーは、1997年に登場したV70クロスカントリーのような4WDのオフローダーとは趣を異にするモデルである。このクロスカントリー・パッケージはV40のドレスアップ・キットではあるのだが、その内容はあなたを失望させるものではない。
■どんな感じ?
低速での乗り心地は例外的に良く、英国の酷い道にも非常にマッチングが良い。奇妙なことに、ハイスピードで時折バンプを伝えることもあるが、総じて快適なクルマだ。
ダイナミックな能力についても問題はない。ボディは良くコントロールされ、ターンインもスムーズ。アンダーステアをリア・アクスルが見事に打ち消している。ステアリングは正確で充分なフィーリングを持っている。少なくともアスファルトの上では、ドライブすることが愉しいクルマだ。
148bhp、35.7kg-mのパワー、トルクを持つ2.0リッターのディーゼル・エンジンは、1500rpmから太いトルクを発生する。ディーゼル独特のサウンドも気にならない。そのサウンド・レベルも高速道路においても決して気になるものではないが、さすがにフォルクスワーゲン・ゴルフのレベルまで静かというわけではない。
そのインテリアはスカンジナビアン・スタイルで、快適そのもの。3人乗りとしてはリア・シートがやや窮屈なのが気になったが。
とにもかくにも、クロスカントリー・ルックというだけのクルマとしか思っていなかったが、その期待は良い方向に裏切られたカタチだ。
■「買い」か?
僅か1,000ポンド(14万円)高でこれだけの装備がアップグレードされるのは非常に歓迎すべきことだ。但し、その価格の中に、ドライビング・パフォーマンスのアップグレードを望むのであれば、それは違ったことになろう。
(リチャード・ブレムナー)
ボルボV40クロスカントリーD3 SE Nav
価格 | 25,045ポンド(352万円) |
最高速度 | 204km/h |
0-100km/h加速 | 9.1秒 |
燃費 | 22.7km/l |
CO2排出量 | 117g/km |
乾燥重量 | 1512kg |
エンジン | 直列4気筒1984ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 148bhp/3500rpm |
最大トルク | 35.7kg-m/1500rpm-2750rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |