ヴィンテージ・リバイバル・モンレリー
2017.5.6-7
これで分かる GN/フレーザー・ナッシュ
主役はGNとフレーザー・ナッシュ、そしてモーガンとそのフランス版であるダルモンなどのサイクルカーであった。サイクルカーでも、地元フランスにもアミルカー、サルムソン、BNCなどあるけれど、イギリス車の勢いに押され気味で、今日は控えめな態度だった。フランスのブガッティ・クラブの一員であるフランス在住の日本人女性とも邂逅したが、今日はイギリス人ばかりでいつもと雰囲気が違うわね、とおっしゃっていた。今日ばかりはブガッティも主役ではないようだ。
GNは、アーチー・フレイザー・ナッシュとH ・R・ゴドフレーという2人のパイオニア的技術者の発案から生まれた。極めて軽量で簡素なシャシーに、ほとんどが2気筒のエンジンを搭載した。数千台単位の生産だったが、ヨーロッパ各国にも輸出されたし、フランスでは飛行機エンジンのメーカーだったサルムソンがGNのライセンス生産から自動車製造に乗り出したのだった。GNの一番の特徴はシャフトドライブではなく、チェーンで後輪を駆動することだ。したがって、デファレンシャル・ギアを持たない。
フレーザー・ナッシュは1924年にGNから分かれて生まれた。GNの見かけをより普通のクルマにしたようなものだったが、相変わらずチェーン駆動だった。1930年代まで各種のエンジンが搭載されたが、1934年からはBMWのイギリスでの輸入元になり、進歩的な328をベースにしたスポーツカーを製作するようになり、戦後もル・マンやタルガフローリオなどヨーロッパ大陸のレースで好成績をあげてきた。その後はポルシェのディーラーとして、今もAFN社として存続した。
イギリスでは、GNやフレーザー・ナッシュはチェーンギャングと呼ばれ、今なお熱心な愛好家に親しまれている模様を、イギリスのヒルクライムに出かけた折に見かけていたが、今回ほど大挙して集結している様を見たのは初めてで、この日ばかりはモンレリーがイギリス領と化していた。