祝! ポルシェ911生産100万台 歴代911/100万台記念モデルで旅へ
公開 : 2017.06.17 00:45 更新 : 2017.06.17 14:50
もう「都市伝説」を語るまい
911は、乗るたびに特別な体験を与えてくれるクルマだが、日々の暮らしにうまく溶け込むこともできる。そうでなかったことは一度としてない。
誕生からしばらくすると、限界域で扱いにくいという評判さえ、プラスに働くようになった。そんなクルマだと知られるほど、世間は911乗りを冒険的で、危機的状況に陥っても笑みを絶やさない手練れだと見なすようになったのだ。
ただし、911は先人たちがそう評価したほど難しいクルマではない。その暗黒面に触れたくなければ、限界領域に踏み込まなければいいだけだ。
虎の尾を踏むようなクルマだと感じたとしても、あらゆるクルマに通じるドライビングの基本である「スロー・イン、ファスト・アウト」を忠実に守っている限り、初期モデルでさえ子猫のようにおとなしく、それでいて冴えた走りをみせてくれる。
GT2のような特殊なものを除けば、限界域で手に負えなくなる911は30年以上前に消え去った。評判だけがひとり歩きして、都市伝説のように残っているのだ。
考えてもみてほしい。ポルシェがわざわざ自分の首を絞めるようなクルマを造り続けるほど愚かだろうか。
また、オリジナルに比べて、近年の911は肥大化しすぎたと嘲る声も少なくないが、フォルクスワーゲン・ゴルフのようなファミリーカーのサイズアップぶりと比較すれば、それほどのことではない。
ホイールベースはライバルたちよりずっと短く、全幅はパワフルなミッドシップカーよりはるかに狭いのだ。
それは、ここに集めた歴代モデルが教えてくれる。