祝! ポルシェ911生産100万台 歴代911/100万台記念モデルで旅へ

公開 : 2017.06.17 00:45  更新 : 2017.06.17 14:50

歴代ポルシェに酔いしれる

1960年代の901世代からはショートホイールベースのタルガ、その発展型であるGシリーズからはプロトタイプのクラブスポーツを今回は選んだ。

964世代はターボだが、これこそ本当に難易度の高い911に数えられる1台。タキシードの下にナイフを隠し持っているような、危険なクルマである。

最後の空冷モデルとなった993世代からは、一転してイージードライブを象徴するようなティプトロニックのタルガを、そして996世代からは、もはや伝説的な存在である元祖GT3をこの場に呼んでいる。

100万台記念車を走らせる覚悟ができるまで、歴代モデルでウォームアップといこう。

初代タルガは、今も語られる古い911の真相を、完璧に体現したクルマだ。見た目は華奢だが、走りは笑みがこぼれるほど健全で、操作への反応も素晴らしい。そして、もちろん速い。半世紀前の2.0ℓ車に期待されるレベルを超えた速さだ。

クラブスポーツは911の進化の本流にあるように感じられるが、傍流の派生モデルである。その狙い通り、ドライビングを楽しめる1台だ。

964は穏やかで洗練されているが、このターボは自制せずに走らせたら手に負えないことになる。このクルマには、隙を見せてはいけない。

993は、ぜひとも手に入れたいと夢見ている。ただし、それはこんなティプトロのタルガではない。初期のクーペで、マニュアルの後輪駆動、エアコンもついて、ついでにシルバーのボディにブラックのレザーインテリアなら申し分ない。

小さく、空冷ユニットを積み、敏捷で挙動は麗しく、造りは精巧な993は理想的な911だ。ただひとつ、価格だけが理想とは程遠いのだが。

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