スバルの「独自すぎる」ブランド再構築の手法 欧州不振は「織りこみ済み」
公開 : 2017.06.17 19:10 更新 : 2017.12.14 12:31
思い出したくない過去から脱却 しかし欧州は…
現在の利益率は良好だが、10年前に世界的な不況が訪れる前には、かなり厳しい状況だった。2006〜2007年の生産台数は57万8000台で、黒字幅は薄く、2007〜2012年にも財務状況は不安定だった。
販売台数は2007年に60万1000台を多少超えるのみで、2012年には61万7000台へ微増したが、これで損益分岐点ギリギリといったところだった。
しかしながら、2016年4月に発表された数字は97万8000台と大きな伸びを見せ、今年4月には106万5000台とさらに増加している。
円高ドル安の進行で、2016年度の第4四半期の当期利益は1000億円をわずかに切ったが、利益率は12%近く、これはBMWやアウディを上回っている。
とくに著しいのが、北米での販売増だ。2016年の総販売台数は61万5000台以上で、トータルセールスの半分以上を稼ぎ出している。また、インディアナの工場では2017年に40万台の生産を計画しているが、2019年までにはこれを43万6000台まで拡大する予定だ。
翻って欧州市場を見ると、アメリカに劣らずクロスオーバー車の人気が高まっているにもかかわらず、スバルの販売状況は惨憺たるありさまだ。欧州全体では約4万6000台、英国に限れば4000台以下に留まっているのである。
先述した「際立とう2020」では「北米を最重要、日本/中国を第二の柱」と位置付けており、欧州市場には言及していない。