ポルシェ「ミスターGT3」に聞く GTモデル成功秘話 苦悩もあった?
公開 : 2017.06.18 06:10
最初の配属先は「技術コンサル」
ようやく念願が叶ったのに、配属先はヴァイザッハのモータースポーツ部門ではなく、技術コンサルタント部門で、そこでフォルクスワーゲンやアウディとの調整を手掛けることとなった。それでも、彼は憧れた地での第一歩を踏み出したのだ。そして、今のような仕事に就くことを諦めなかった。
「当時のモータースポーツ部門を率いていたのは、ハルトムート・クリステンでした。しょっちゅう彼に電話しましたが、仕事はないって断られ続けましたよ。でもとうとう、とあるパーティで共通の友人に引き合わせてもらいましてね、一緒にビールを呑んだところから今に至るというわけです」
そうしてヴァイザッハが彼の職場となったのは2000年であり、すなわち1999年に登場した最初のGT3には関わってはいないが、それ以降のGT3全てとGT3RS、GT2RS、911R、そしてケイマンGT4の開発責任者はプレウニンガーが努めた。
いうなれば、たった1台のクルマで始まったこの開発部門は、彼の影響下で花開いたわけだ。それらはベース車と比べ、大きくかけ離れているといっていいほどに進化したモデルばかりである。
「着任したときは、GTモデルの生産台数は100台ほどで、カレラのような知名度はありませんでした。いまやそれは1000台規模で造られるようになり、新たなGTモデルの開発は911ターボと同等か、それ以上のプロジェクトになっています」