いかにしてスーパーカーは進化した? そもそもスーパーカーとは? 「代表作」を振り返る
公開 : 2017.06.24 11:55 更新 : 2017.06.24 17:22
1000ps/トンの時代はすぐそこへ
長い開発期間と多額の開発コストを費やし、2005年についに姿を現したヴェイロンは、16気筒4ターボで1001psを叩き出し、253mph(約407km/h)という前人未踏の領域へ足を踏み入れたのだ。
それは、もはやスーパーカーを越える存在だ。登場時にはウルトラカーやメガカーなどとも呼ばれたが、現在ではハイパーカーという通り名が定着し、新たなジャンルを形成しつつある。
しかも、ハイパーカーはさらなる一歩を踏み出した。フェラーリやポルシェ、そしてマクラーレンは、そこにハイブリッド技術を持ち込んだのだ。
ラ フェラーリ、ポルシェ918スパイダー、マクラーレンP1である。
いずれも、最高出力ではヴェイロンに及ばないが、それはさして問題ではない。比較的軽量かつコンパクトで、現実的な性能は別格だ。
もはや行き着くところまで行った感のある超高性能車の世界だが、それでもわれわれはさらなるステップアップを待ち望み、それが目の前に迫っていることを知っている。
待機中のハイパーカーは多数あり、その担い手にはパガーニやケーニグセグといったニッチなメーカーも含まれる。ブガッティの新型車であるシロンは完成し、右足で1500psを解放するドライバーとの出会いを待っている。
1トンあたり1000psというパワー・ウェイト・レシオや、F1用ユニットをそのまま積んだロードカーなど、まだ誰も成し得ていない領域はあるが、それもアストン マーティン・ヴァルキリーとメルセデスAMGプロジェクト・ワンがそこに届こうとしている。
今もって25年前のマクラーレンF1こそが最高のスーパーカーだ、などという考えに囚われていては真実を見誤る。スーパーカーは進化を続けている。
はたして、いまから25年後はどうなっているか。それは想像すらつかない。