スポーツカー・ワールドカップ 決勝 マクラーレン(イングランド)vs ポルシェ(ドイツ)
公開 : 2017.06.25 11:50 更新 : 2017.06.25 11:52
勝者はどっち?
このポルシェは、大量生産モデルである911のバリエーションで、ポルシェは今や年産25万台に手が届こうというメーカーになった。もちろん、アウディやBMW、メルセデス・ベンツの規模には到底及ばないが。
反対にマクラーレンは、世界中見回してもたいがいのものより高価で、より長く歴史に名を残す最もピュアなスポーツカーを造る文化と、それを創りたいという欲求の、この上ない表現だ。
英国にはもうひとつ、古くはトライアンフやMG、オースチン・ヒーリーに代表されるような軽量スポーツカーの伝統もあるが、そちらはアリエルやモーガン、ラディカルなどが現在も引き継いでいる。
その分野でも、速さも、純粋さも、エキサイティングさも、スポーツカーの理想への忠実さにおいても、他国の追随を許さない。
それゆえに、スポーツカー・ワールドカップの意義に則るならば、勝者はイングランドこそがふさわしい。540Cは、世界最高のスポーツカーではなく、それに限りなく近いものに留まるかもしれない。
だが、これはイングランドの本気のクルマ造りの実例として決勝の舞台に上がったのだ。その背景には、この国がスポーツカーの分野で積み上げてきた比類ない経歴がある。
それを破って次のステージに進み、あまつさえ優勝を飾れる国などあろうはずがない。