フェラーリ812スーパーファストに初試乗 F12 TdFの危うさ払拭 「最高のGT」と評価
公開 : 2017.06.27 19:50
さらに数字から学んでみよう
このエンジンに組み合わせるトランスミッションは7速のDCTで、ギアボックスはリアにマウントされる。前後荷重は47:53と、ややリア寄りの重量配分だ。
F12は46:54だったが、ボディ構造は補強の追加などを除けば基本的に変わらない。変更点を上げるなら、フロントは電動パワステ、リアは後輪操舵にそれぞれ対応するための改修程度だ。
ボディ構造そのものの重量は、F12から60kg削減されたが、これは電気系や配管類、遮音材などの軽量化といった、サプライヤーの不断の努力もあって達成された。
しかし、強化されたエンジンや後輪操舵の追加により、車両重量は1630kgを数える。全備重量は1700kgをわずかに超え、かつて実測したF12の1715kgと同等になると推測される。
アグレッシブなルックスは、エアフローに配慮した結果だ。大きく開いたグリルを、フェラーリは「スマイル」と表現するが、その顔つきを子供が見たら、怒られているように感じるかもしれない。
2座のキャビンはドライバー重視の計器レイアウトだが、助手席前には車両情報をモニターできるクールなディスプレイが備わる。
小物入れも備わるが、使い勝手は期待しない方がいい。リアには十分なサイズのハッチがあるものの、その下のラゲッジスペースはギアボックスの発熱を受けて高温にさらされる。