アウディRS5 モデルチェンジした2017年型に海外試乗 V8→V6の吉凶を占う
公開 : 2017.06.28 12:40
不快な思いをせずに済む
ラインナップにおける、GTカー的な立ち位置はそれほど強調されていない。フランスの人里離れた、いつにない暑さにさらされた直線で試すと、これはアウディのラインナップで最も快適なクルマだと、すぐさまみなすことができる。
コンフォートモードでは、伝統的に悩みの種だった短周波のハードな突き上げが、アダプティブダンパーによって解決され、ボディの大きな振動も素直で不快感のないものとされている。
ダイナミックステアリングシステムのデキはよくなり、正確さも十分。走行車線を流すには上々の仕上がりで、装着しても長距離ドライブもこなせるものになった。
かつてのV8がそうだったように、新型V6もまた存在を声高に主張しないが、これもまた快適性の上では美点となっている。
しかしながら欠点も
欠点はハンドリングにある。相変わらずそれは穏当に過ぎて、夢中になれるようなものではない。自信をもって大胆に走れるかというのとはまた別の問題だ。
ノーズが軽くなり、LSDが備わることで、これまでになく敏捷性は高まり、リアの外輪の回転を上げてより速くコーナリングすることもできる。
とはいえ、ドライバーがアジャストできる幅は狭く、スタビリティコントロールをオフにしても、ドライブトレインがさっさと辻褄を合わせてしまう。
オーバースピードやスロットルの開きすぎは、アウディにつきもののアンダーステア対策を呼び覚ますだけだ。
もっとも、このメーカーが直進安定性に固執していることを理解していれば、それもあきらめがつくのだが。