BMW M235iの能力を開放するなら、英「Birds」に頼れ! 試乗記
公開 : 2017.07.01 20:09
■どんな感じ?
まるで別のクルマ
お世辞抜きで、このチューニングは変身と呼べるレベルだ。乗り心地は落ち着いたものとなり、アップグレードされたサスペンションは不整路面へみごとに対応する。どんな道でもよろめくことなく、ドライバーに自信を与えてくれる。
ボディコントロールも大幅に改善され、上下動のない穏やかで落ち着いた乗り心地を見せる。前輪周りにはスペーサーが装着されるのみだが、ステアリングフィールは精確さを増している。
クアイフのLSDも、このクルマのベストパフォーマンスを引き出すのに大きな役割を果たしている。BMWもオプションでMパフォーマンスLSDを用意するが、あちらは£2,500(37万円)と割高だ。
ノーマルのオープンデフでは、パワーオンで、荷重の抜けたタイヤが絶望的にスピンしたり、突如としてオーバーステアに転じたりして、苛立たしさを感じるだけでなく、次に起きる挙動に確信が持てない。
しかし、このLSDを装備すれば、後輪のコントロール性が向上し、エンドレスに走りを楽しみたくなる。望めば、アリ・バタネンのフォード・エスコートMk2のように派手なドリフトも、タイトコーナーでのもっと控えめで適切な、完璧にバランスのとれたテールスライドも思いのままに決められる。
コーナー出口へ向けてリヤを滑らせ、勢いを殺さずにストレートへ飛び出していくような走りを可能にしてくれるのだ。
ソフトウェアを書き換えたエンジンは、2000rpm辺りから強烈に車体を引っ張り、中速域ではしきりに回りたがり、レヴリミットめがけて凶暴なまでに回転を上げていく。
これは素晴らしく速いクルマで、敢えて不満を挙げようとしても、サウンドがややおとなしいことくらいしか見つからない。