ボルボと中国ジーリーの「Lynk&Co」、英国人デザイナーはどんな夢描く? インタビュー

公開 : 2017.07.02 17:40  更新 : 2018.04.26 14:55

ボルボと中国ジーリーの「Lynk&Co」、デザイン部門を率いるのは、ひとりの英国人でした。67歳のいま、何を夢見ているのでしょうか?

text:Julian Rendell(ジュリアン・レンデル)

 

グループ200万台の夢とひとりの英国人

ボルボと、親会社のジーリーが立ち上げたLynk&Co。それが成功するか否かは、英国人デザイナーのピーター・ホーブリーの双肩に掛かっている。

2011年以来、Lynk&Co立ち上げに向けて尽力してきたホーブリー。その仕事は、単にクルマをデザインするだけではなかった。

創立者は中国の企業家、吉利汽車を立ち上げた李書福。車両開発は吉利と、その傘下にあるボルボが手掛けた。

その目的は、中国と国外市場とのギャップを埋めることにある。つまりは、安価なベーシックカーを販売する吉利と、プレミアムブランドに位置づけられるボルボとの中間にポジショニングされるブランドだ。

吉利はグループ全体で200万台の生産を目指している。

「吉利での仕事を始めたときには、未完成のコンセプトカーが2台あり、少人数のデザイナーがいるだけでした。現在のLynk&Coは、デザイン関連だけで500人以上のスタッフを抱えています」とホーブリーは語る。

かつてクライスラーやボルボ、フォードでチーフデザイナーを務めた彼は、キャリア後半にあってもその辣腕ぶりを発揮し続けている。彼の最も知られた業績は、1990年代初頭に手掛けたボルボのデザイン再生だろう。

67歳という年齢の彼は、一般的には定年を迎えていてもおかしくないが、スローダウンするような気配を微塵もみせない。

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