BMW M4 CS、1,300万円でも「中間」 GTSとの共存可? 英国で試乗
公開 : 2017.07.06 11:40
■どんな感じ?
苛立ちと幸福を交互に
ある部分では、CSはわれわれが待ち望んだM4だと言えるが、別の部分では激しく苛立ちを覚えるのもまた確かだ。苛立ちは、日常的な使い勝手の面に感じる。
圧縮された天然繊維を用いた薄いドアの内張りは、ドアポケットもスピーカーも備わらない。小さなアームレストは用意されるが、角度がきつく、置いた肘はすぐにずり落ちそうになる。
キャビン中央側には、アームレストは設置されない。要は、標準モデルよりかなり高額でありながら、利便性はずっと劣るのである。
とはいうものの、内装の仕上げはみごとで、マテリアルのクオリティも高い。ただし、スエード巻きのステアリングホイールはリムが太すぎ、身体を包み込むようなシートは腰のサポートが絶対的に不足している。
アダプティブダンパーは、ハイグリップのカップ2を履くCS用にチューニングし直される。標準モデルより多少硬めなだけだが、はるかにダイレクトで、レスポンスにも優れる。
100mも走れば、このシャシーがいかに張りつめたもので、ステアリングフィールがいかにシャープかわかるはずだ。CSは完璧なまでに素晴らしい。そこがスムースな道であれば。
バンピーで狭い道に持ち込むと、このシャシーはどうにも硬すぎるように感じられる。脚の硬いクルマの常で、絶望的なまでに跳ね、バンプや畝のあるような場所では、タイヤが路面とのコンタクトを失いがちだ。
しかし、そう言う極端なケースを除けば、ダンパーは不整路面を十分いなし、タイヤをしっかりとアスファルトに押しつける。