アルピーヌA110 同乗試乗&インタビュー ポルシェ718ケイマンを超えたか?
公開 : 2017.07.06 18:49 更新 : 2021.05.13 12:00
「アルピーヌA110」に同乗試乗! サーキットで「718ケイマン」を追い抜き、公道で「デイリーユース」に耐えるモデル。そんなクルマ、本当に存在するのでしょうか?
アルピーヌA110 アルミニウム製を選んだ理由
秋に開催される国際試乗会を前に、ダン・プレッサー記者が、アルピーヌA110の同乗試乗を許された。ルノーのテクニカルセンター(フランス北部、オーブヴォワ)からレポートをお届けしよう。
チーフエンジニアに訊く、A110
固定式でリクライニングもできないバケットシート。そのパッセンジャーシートに身をかがめて入り込もうとすると、あの二人から耳にした言葉が頭をよぎった。
・エリック・レイマン(商品企画ディレクター)
「A110の開発にあたって、まず最初にはじめたのはカスタマーからのヒアリングです。2012年のことでした。まずポルシェ、ケータハム、ロータスのオーナーを集めてクリニックを開き、それから参加者の間口を広げていったのです」
「すると、日々を快適に過ごせるスポーツカーを望む声が多かったのです。ただし、“サーキットでも楽しい” という条件付きですが…」
・デイビッド・トゥーヒグ(チーフエンジニア)
「アルピーヌとしては、時速60km/h台で公道を走っていても、ドライビングプレジャーを感じさせるクルマが欲しいのです。それにもかかわらず、サーキットに行く週末には、血がさわぐようなモデルが理想ですね」
彼のチームが、このクリニックの結果をもとに、スペックを決定した。その目指すところは、第1に “軽量” であること。
「車重が軽ければ、スプリングレートを高める必要もなく、猛烈に硬いクルマのなかで毎日を過ごす必要がなくなります。これがA110のボディをアルミニウム製にした理由です」
「続いて重要なのが、サスペンションの選択でした。全輪ダブルウイッシュボーンの採用は、このクラスでは非常に稀なことでしょう。718ケイマンは、フロントがマクファーソンですから」