アルピーヌA110 同乗試乗&インタビュー ポルシェ718ケイマンを超えたか?
公開 : 2017.07.06 18:49 更新 : 2021.05.13 12:00
延々とつづくドリフト ケイマンに勝機は?
ストレートを立ち上がると強烈なパフォーマンスで加速していく。デュアルクラッチのトランスミッションは、変速がシャープで、キレがいい。それに本物のスポーツカーだけが発するサウンドが、終始耳をくすぐるのだ。
ウルゴンが、走行モードを「トラックESC」にすると、わずかにスリップしながら、低速コーナーでドリフトを披露してくれた。
もっと楽しみたい? とばかりに、彼はおもむろにシステムOFFを選んだ。するとそこから長々と続く激しいドリフトがはじまった。助手席から見ているかぎり、クルマの身のこなしは驚くほど軽く、ステアリングのレスポンスは鋭い。スピードを高めていっても安全マージンが失われることはなかった。
テストコースの最もラフなセクションにA110が差し掛かる。ここでは、多くの開発車両がフェンスの犠牲になるという。しかし、その走りはどこまでも懐が深く、スムーズだ。これほどのコントロール性と走行性能が共存するモデル。決して数多くは存在しない。
さて、本当にアルピーヌA110は、ファン・トゥ・ドライブの申し子なのだろうか? その答えは、AUTOCARが試乗を許されるまで待つことにしよう。わたしが今皆さまに約束できることはただ一つ。718ケイマンは確実に追い詰められているということだ。