ヴォグゾール・インシグニア1.6ℓディーゼル、「パサート未満」の旨味とは? 試乗記

公開 : 2017.07.07 11:10

■どんな感じ?

ヴォグゾールデザインの妙

先代よりも進化している。

簡潔なデザインのダッシュボードには、8インチのインフォテインメントが装備され、前のモデルだと気になったパネルの位置の改善が見られた。

もちろん、このクルマが高級車ではない、ということを忘れてはならない。しかし、商品としての精度や、ダッシュボードの質感など、評価すべき点はたくさんある。

わざわざお金を出してまで、プラスティック製のインテリアをレザー張りにしたくなるのも理解できるし、メーカー側の上手な策略とも言えよう。それくらいにデザインがうまい。

1.6ℓディーゼルでもクルーズに不足なし

エンジンをスタートさせる。先代のディーゼルよりも静かだ。また吹け上りもスムーズで、ターボの感じも良好である。

今回のテスト車両は136psで32.6kg-mのトルクを発生させる。力強さは申し分なく、高速のクルーザーとしても充分なポテンシャル。

組合わさる6速マニュアルのギアボックスの操作感はカチカチとした印象。ただ、ゲートにレバーが差し掛かり、そこから奥にゆくにつれて、ゴムっぽいあまり好意的でない感触である。以前のギアボックスに慣れている向きならば違和感を覚えるだろう。

ただギアの設定はロングであるから、高いギアに入れてさえいれば、回転数を低く抑えることができる。

110psのバージョンもあるが、それよりも136psのこちらのほうが官能的。2500rpmからレブリミットまでの仕事ぶりには敬服する。

0-100km加速は9.9秒というのがメーカーの公称値。長距離の高速のほうが実力を発揮できる一方で、街乗りには不向きかもしれない。俊足とはいえない。

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