なぜ安価なEVスポーツカーは存在しない? トルクが重量補う「新機軸」 テスラに期待

公開 : 2017.07.09 06:10  更新 : 2017.12.14 14:42

重量はトルクが補うことができる

EVスポーツカーには、明らかに多くの利点がある。スポーツカーは軽量設計こそ正義だが、それはEVの航続距離拡大にも貢献する。

逆にEVのバッテリーをフロアへ低く配置する設計が、エンジンを積むクルマより低い重心高を生み、スポーツカーに必要な運動性能の向上に寄与するわけだ。

たしかに、バッテリーは重く、MX-5のようなクルマに積めば、軽量という利点は失われるだろう。しかし、その重量増を補うのが、モーター特有の回り始めから発生する大トルクだ。

これは、すでに実例がある。テスラの処女作であるロードスターがまさにそれだ。2008年に登場したそれは、ロータス・エリーゼのシャシーをベースとし、320km以上の航続距離を可能にした。

このクルマの最大の弱点は、£90,000にも達した価格だった。シャシーのコンポーネンツに共有部分の多いエリーゼと比べれば、実に3倍近い。

もっとも、それは10年近く前の話だ。EVの開発と製造にかかるコストは年々下がっており、今後、2020年頃までには新型EVが多数登場すると予想される。

ジャガーI-PACEや日産の次期リーフフォルクスワーゲンI.D. Crozzなどなど。これによって、電動パワートレインのハードウェアに多くの選択肢が加わるだろう。

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