なぜクルマは重たくなった? 3つ理由と解決法とは
公開 : 2017.07.15 17:10
クルマが重くなってしまう3つの理由
大きく分けて、クルマの重量は増えた理由は3つあると思う。まず明らかなのは、ユーザーがクルマに多くを求めるようになったことだ。
分厚いクッションのシート、高い遮音性、ハイスペックなエンターテイメント機器など。快適性を装備に求めれば、当然ながら重量は増す。
次に、安全面の要求だ。クラッシュテストで高いスコアを出さなければクルマが売れなくなったのである。
そのため、衝突安全性を高める設計が採られるようになった。不思議なのは、事故が起きることを前提にして、補強やデバイスを追加する対処が主流だということだ。
医療現場では、予防医学の考え方が主流になりつつあるのとは対照的に、マーケティングの現場は、事故に直面したときの保険を求めたがる。そうした状況に陥らないための手段は、二の次に回されがちだ。
もうひとつは、先のふたつの結果ともいえる。
快適で、豪華で、衝突時に安全なことを求めれば、重量はかさみ、必然的にクルマは遅くなる。
では、それらを諦めて軽量化を受け入れるか、と問われれば、イエスと答えるユーザーは少数派だろう。
そこで、エンジンの強化が図られる。メーカーとしても、軽量化よりパワーアップの方が低コストで済む。
しかし、それはさらなる重量増加を呼ぶ。エンジンを拡大すればもちろんだが、そうでなくても高出力化に対応して、サスペンションやホイール、タイヤ、ブレーキなども強化しなくてはならない。まさに負のスパイラルだ。
とはいえ、改善の兆しもある。