【前編】歴代最高のVWゴルフGTIを探せ 初代/2代目/5代目/7代目が集結

公開 : 2017.07.16 12:10  更新 : 2017.07.17 12:52

2代目ゴルフGTI、ひとこと「熟成」

対照的に、2代目は乱れたところを決して見せない。モデルチェンジの常で、先代よりサイズアップしているが、それよりもこの世代を表現するときに浮かんでくる言葉は「熟成」だ。

初代よりはるかに完成度の高いクルマで、静粛性も快適性も桁違い。もちろんキャビンは広く、見た目や感触のクオリティも大幅に高められている。

ソリッドなフィールだが実際に頑丈で、大きな不満もなく25万km以上は走れる能力を持ちあわせている。新車当時の、羨望のまなざしを今でも思いだす。

とはいえ、当時は機能と信頼性で熟成を果たした反面、やや退屈だと言われたものだ。そうは言っても、初代と比べれば、という話である。

それよりも感じたのは、初代より遅いということだ。パワーは多少上がっているが、重量も増しているのだから当然だろう。

ところが、コーナーでの限界ははるかに高く、安定感も称賛に値する。能力の高いクルマはハンドリングに優れるが、それがエンターテイメント性で劣ると感じられるのはやむを得ないところだ。

即席仕立てだった初代は走りに熱さがあったが、より開発が進んだ2代目は、多少荒っぽい運転をしてもそういうそぶりを見せない。快活さも見せるが、より知的でバタバタしたところのないそれだ。

常に意のままに走るというわけではなく、それを望むならその気になってドライブする必要がある。

それが良いか悪いか、判断するのは難しいが、乗るなら初代、所有するなら2代目というのが正直な感想だ。それくらい、この2台は異なる。

しかし、その差は5代目との差ほどではない。

▶ 【後編】歴代最高のフォルクスワーゲン・ゴルフGTIを探せ 初代/2代目/5代目/7代目が集結

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