アウディRS5試乗 日本発表目前 アウディ・スポーツの底力 V6+クワトロ
公開 : 2017.07.20 11:40
済んだV6サウンド あっという間に200km/h
路面の細かな突起を拾うのだが、それを衝撃として室内に伝えず円やかに吸収して、いなす。ただ硬い柔らかいではなく、緻密に高密度にサスとボディの動きをコントロールしているそれは、最上級サルーンのA8のようでもある。
アクセルを踏み込むと、どの回転域からでも即座に鋭いレスポンスで盛り上がるエンジン特性はRS5クーペの持ち味。S5と基本は同じV6は、排気量を3ℓから2.9ℓにストロークダウンしたRS5専用。Vバンク内のふたつのターボに0.95バールの過給圧を掛けて450ps/61.2kg-mを発生させる。その出力特性に対する効率と耐久性を高めるための策なのだ。
6500rpmまでの全域がパワーとトルクで満たされるが、それでも特に2500rpmからターボトルクの盛り上がりが急になり、4000rpm以上では高周波の澄んだV6サウンドを聞かせる事も好印象。
トランスミッションは8速ティプトロニック。トルコンATらしい変速はスムーズそのものだが、走行モードの「ダイナミクス」を選んだ途端、シフトアップもダウンもマニュアルシフトのダイレクト感に変身。同時にエグゾーストはフラップが開き、純ナマのV6サウンドがより太く轟き、ステアリングは確かな手応えを感じられるほどに重さを増す。
高速は他車がいなくなるのを待ってアクセルひと踏み。あっという間に200km/hの世界だが、ドイツ御三家メーカーのなかでも特にクワトロ=4WDに拘って来たアウディのここが独壇場。矢のように超高速で直進し、コーナーは目視したアールにステアリングを沿わせるだけで済む。前後で路面を掴む安心の操縦安定性は、スーパースポーツクラスと比較しても、ずっと限界の高い別次元の落ち着きと乗り味の良さを味わわせてくれる。