WRX STIがモデルチェンジ スバルS4との違い、走りの印象は? 試乗記
公開 : 2017.07.21 19:10
WRX STIがモデルチェンジしました。おなじくらいアグレッシブな見た目の「S4」との違いや、「今こそ魅力」の理由を、しっかり走って探ってみました。担当は小川フミオさんです。
■どんなクルマ?
「WRX STI」と「S4」 どう違う?
スバルは(ご存知のように)安全性とスポーツ性とで抜きんでたイメージを誇るメーカーだ。スポーツ性において頂点に位置するのはWRX STIだ。2017年5月24日に大幅改良を受けたモデルに、ようやくというかんじで乗ることが出来た。
スバルWRXシリーズは、STIとS4がある。超がつくようなスポーツ性をもったフルタイム4WD(スバルはAWDという)の4ドアセダンだ。後席も使えるけれど、ドアを4枚もったピュアスポーツカーと考えたほうがいかもしれない。
実際にスバルじしん、ラインナップにおける位置づけとしてはBRZよりWRXのほうがスポーティとしているほどだ。
そこにあってSTIとS4のちがいをひとことで説明すると、STIはよりスポーツ性が強いということにつきる。マニュアル変速機はSTIだし、新型でも数多く、よりよいスポーツ走行を可能にするための技術が盛り込まれたのもSTIだ。
ついでにS4についてさらりと触れておこう。
走りが楽しめるのは事実で、エンジンはともに2ℓ水平対向4気筒だが、WRX STIとはちがうものだ。
S4のエンジンは直噴ターボ(出力はほんの少し落ちるが)。トランスミッションも無段変速機。先進的安全装備も0から時速60kmの範囲で車線に関係なく先行車を追従するアイサイト・ツーリングアシストなど豊富に用意されている。
「WRX STI」と「S4」 あきらかな違い
WRX STIは方向性があきからに異なる。新型はまずセンターデフが変更された。従来は電子制御に加えトルクを使った機械締結式のギアが採用されていたが、新型は「マルチモードDCCD」とスバルが呼ぶ完全電子制御タイプとなった。
サスペンションシステムは「フラットで減衰のきいた乗り心地」(スバルの資料)のためにダンパー、スプリング、スタビライザーの設定が見なおされている。もうひとつの目的は「さらにすぐれたハンドリングのため」とされる。
さらにブレーキに手が加えられた。前後ともに従来は17インチの2ピースだったものを、新型は18インチのモノブロックに。「制動力と耐フェード性を大幅に向上」とスバルでは説明する。
さらにフロントは対向2ポットから6ポット(リアは従来のまま2ポット)へと変更された。ブレーキローターも新型はいわゆるドリルドタイプである。
これこそファンが喜ぶ新しい装備だ。先進的安全技術も嬉しいかもしれないけれど、WRXシリーズのキャラクターをはっきり分けたのは大正解。STIは頭のなかがまっしろになるぐらい痛快な走りが堪能できるクルマとして完成度が上がったのだ。
新型はじっさいに走りが楽しくなっている。これはすばらしいニュースなのだ。ごくかんたんに書くと結果として、よく曲がり、よく止まる。スポーティカーにもっとも重要な要素が大きく改良された。よく走る、のほうは言うまでもない。