メルセデス・ベンツSクラス 2017年版へモデルチェンジ 「S400d」に試乗
公開 : 2017.07.23 11:10
■どんな感じ?
S400d、3.0ℓV6から2.9ℓ直6ディーゼルへ
試乗車は、400dグレードのロング版だ。標準仕様は後輪駆動だが、今回は4WD仕様をテストした。
大きく変わったのはエンジンだ。Sクラスでは2005年以来、3.0ℓV6ターボだったディーゼルユニットが、2.9ℓ直6ターボに換装されたのである。
出力は340psで、BMW 730Ldの3.0直6比で20ps、アウディA8 3.0 TDIの3.0 V6比で72ps、それぞれ上回る。ステップド・ボウル燃焼システムや多チャンネルEGRに加え、可変バルブリフト制御を新採用した。
新たな直列ユニットは、これまでのV6以上にスムーズで洗練されたエンジン。アイドリングではほとんど音も聞こえず、そこから回転が素早くスムーズに、そしてリニアに上がっていく。
これに新型の9Gトロニックと2.47:1のファイナルを組み合わせ、トルク優位の特性を引き出すようセッティングされている。
ガソリン版の2.9ℓ直6と異なりアシスト用モーターは備えないが、それでも加速はクイック。それでも、遮音の利いたキャビンでは、エンジン音が遠くかすかに聞こえるのみだ。
71.3kg-mのトルクはほんの1200rpmで発生し、2000kgのS400d 4マチックは、アイドリングからトルク発生のピークとなる3200rpmまで、どこからでも素晴らしくパンチの利いた加速を見せる。
カタログ値では0-100km/hが5.2秒、最高速度はリミッターが作動する250km/h。燃費は17.9km/ℓで、CO2排出量は147g/kmだ。