メルセデス・ベンツSクラス 2017年版へモデルチェンジ 「S400d」に試乗
公開 : 2017.07.23 11:10
Sクラスの伝統受け継ぐ「滑るような走り」
新型Sクラスの乗り心地はこの上ないもので、競合する高級車に差をつけるほど。スムーズな路面では、素晴らしき歴代Sクラスの伝統そのままに、滑るように走っていく。
電子制御のエアスプリングは、プリセットされた車高を常に維持し、威厳をもって舗装の傷を拭い去るようだ。深い轍を横切るときでさえ、このクルマは穏やかながらも一貫して平静を保つ独自の乗り味を示す。740dやA8 3.0TDIとは異なるものだ。
「ダイナミック・セレクト」をスポーツモードに切り替えると、秀でたロードホールディングでそれと明確に知らせ、今回のロング版Sクラスに装備されていたオプションの「エア・ボディ・コントロール・サスペンション」は、巨体に非凡なボディ・コントロールを与える。
ステアリングのセンターから数°の範囲は、相変わらず非常に軽く、やや曖昧だが、90°ばかり回すと程よく重さが増し、十分に正確でドライバーを引き付ける。
4WDシステムを持つS400d 4マチックは、並外れたグリップとコーナリングでの粘りを持ち、トラクション/スタビリティコントロールの介入なしに、チャレンジングな道を速く活発に駆け抜ける。
インテリア、ドライバー・アシストは?
内装に目を向けると、フロントシートは長距離走行でも秀逸な快適性を提供する。
キャビンのデザインはわずかにリファインされ、上質な素材で覆われたダッシュボードには、計器盤とインフォテインメントシステム用の高精細ディスプレイ2基が設置される。
後席は、ロングホイールベースにより広大なレッグスペースを得ている。おそらく、それこそ高級車として最も重要な要素だろう。
また、ドライバーアシストから最新の半自動運転まで、驚くほど多くの先進技術も搭載する。
それは30秒以上の自動操舵を行わない一方、加速やブレーキングはクルーズコントロールの一部に組み込まれ、今後3年以内に次期Sクラスでの実現をメルセデス・ベンツが確約する、全自動運転への明確な一歩だ。