2017年版ボルボXC60「T8」に試乗 「2019年に全車電力利用」への道遠し
公開 : 2017.07.24 13:47 更新 : 2017.07.24 13:47
バッテリーを消費したときが問題
ライバル車と同じようにプッシュすると、不安定なホイールコントロールとコミュニケーションに欠けるステアリング、増えすぎた車重や唐突に利くブレーキもあり、シャシーは運動性でしっかり応えてくれるというより、強要されているような感覚をもたらす。
バッテリーをある程度消費すると、よほど短距離でなければ、充電に主眼を据えた走り方になる。
そこで、他のクルマも多くがそうするように、都市部など「ピュア」モードでゼロエミッション走行をしたいときに備えて、電力消費を控える傾向にある。
問題は、87psのモーターでは2トンのクルマに物足りないということ。これでは、ボルボが目指す内燃エンジン全廃の実現は難しいだろう。
「ハイブリッド」モードでは、パワーソースの移行はスムースだが、エンジンの介入時にはほんのわずかながら断絶があるのを感じる。
つまり、このXC60が矛盾なく走るのは、バッテリー残量のあるうち、もしくはエンジンがバッテリーを充電しているときに限られるということだ。
しかも、充電が尽きた状態で試乗した際の燃費は8.8km/ℓまで落ち込む。これは、ポルシェの公表するマカン・ターボの都市部燃費である8.7km/ℓと大差ない。