アストン・ヴァンキッシュS「ヴォランテ」試乗記 2017年版、理性で選ぶなかれ

公開 : 2017.07.25 12:10

ヴォランテならではの変更点も

クーペに施された空力対策は、ヴォランテのエクステリアにも受け継がれた。しかし、オープン化によって、クーペほど効果的に機能しないことが予想される。

クーペとヴォランテで最も大きく異なるのはサスペンションだ。従来から改良を受けたのはクーペもヴォランテも同様で、ジオメトリーやスプリング、スタビライザーは共有する。

しかし、ヴォランテは重量の増加と配分変化に対応して、アダプティブダンパーのレートが変更されている。

見ようによっては、このクルマはオールドスクールなコンバーチブルだ。ミドエンジンのモデルでは、オープン化での重量増加は50kg以下に抑えられるのが当たり前となりつつあり、剛性低下もほぼ認められない。

対してこのヴォランテは、フロントエンジンのアルミ構造を持つ2+2で、後席を持つ分だけキャビンが広く、オープン化では剛性を担う構造部材がより広範囲にわたって切り飛ばされることになる。

そこに重量のかさむ電動開閉機構と、遮音性や耐候性を追及したファブリックのフードを設置すると、補強も含めて100kg程度は車重が上乗せされてしまう。

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