パナメーラ・ターボS E-ハイブリッド 思惑に反し「あと一歩」 価格が理由
公開 : 2017.07.27 19:10 更新 : 2017.09.07 11:15
■どんな感じ?
「鉄下駄を履いたようなクルマ」
スペック表から予想されたのは、鉄下駄を履いたようなクルマだった、というのが正直なところだ。
その理由の第1は、先進のプラグイン・ハイブリッドのパワートレインは、重量増加が避けられないから。このクルマも、パナメーラ・ターボより300kg重い。
結果、パワーウエイトレシオは10%ほど改善されたが、トルクウエイトレシオはむしろターボに劣る。とはいえ、実用域でのトルクは、モーターのアシストによって明らかに高まっている。
走り出してみると、ターボより力強くレスポンスがいいように感じる。それにも増して、実際より低い回転域でパワーバンドに達したような感覚がある。
低回転域から加速を試みると、モーターの力強い駆動により、ほとんど瞬時にトルクがフルに発揮されるような印象。それも、スロットルペダルを床まで踏み込んでいなくてさえ、しばしばそう感じるのだ。
その時、ギアボックスはトルク容量の限界に近いところで作動することになるが、パワートレインの全力をみごとに処理し、マニュアルモードでもスムーズでラグのない変速を見せる。
しかし、このクルマの乗り心地とハンドリング、ステアリングは、最上級グレードという車格にも、その価格にも、ふさわしいといえるものではない。